卒業研究はゴールではなく、社会へ出るための通過点。<br>失敗し、反省し、今後につなげていければいい。

宮本 苑実(2016年3月卒業) 大野高校出身
「卒業後は利用者さんを第一に考え、その人のために自分は何ができるのか常に考えていきたいです」と語る宮本さん。

佐藤 裕保 教授
ホルモンバランスや加齢、運動量などさまざまな要因によって引き起こされる骨粗しょう症。その予防について、食生活の面から研究を続けている。

佐藤 : 卒業研究はいい経験になったでしょう?ゼミ生4人でよく頑張ったね。
宮本 : ありがとうございます。健康栄養学科生の朝食摂取状況調査と、朝食と集中力の関係の調査と、2つの目的があったので大変でした。
佐藤 : 朝食摂取状況は、どうだった?
宮本 : 欠食率が低いことは分かりましたが、その要因は突き止められませんでした。アンケートをつくる時点で工夫が必要でしたね。
佐藤 : かといって質問項目を増やしすぎると、答える人は面倒。聞きたいことと協力者の負担とのバランスも考えないとね。実験も、やってみないと分からないことが多かったでしょう。
宮本 : 朝食を食べる日と食べない日を設定し、単純作業前後の唾液アミラーゼ活性を比較してストレスの度合いを測定したのですが......。
佐藤 : 最初は自分たちの都合のいいようにとらえて結論を導き出そうとしていたよね。
宮本 : はい。先生に指摘されて根拠を見いだそうとしたら、そもそも実験の段階で不備があったことに気づいたんです。反省点ばかりです。
佐藤 : それでいいんだよ。卒業研究で新事実が発見できたら素晴らしいけれど、そう簡単なことじゃない。それより、自らテーマを立てて試行錯誤しながら研究すること、そして研究の反省点をしっかり認識することが大切なんだ。
宮本 : そうですね。私、佐藤先生に指導してもらえて、本当に良かったと思っています。
佐藤 : そんな、たいした指導はしてないよ。
宮本 : そんなことないです。専門外のことを聞いても「分からんわ」って言いながら調べて教えてくれるから、研究室に行くのも大好き。
佐藤 : お菓子を食べに来てるだけでしょ?
宮本 : 頭を使うと甘いものが欲しくて(笑)
佐藤 : もうすぐ管理栄養士の国家試験だからね。1年のころからずっと国家試験に向けた勉強をしているけれど、卒業研究でメリハリがついて良かったんじゃない?
宮本 : そうですね。今、気持ちを切り替えてラストスパートをかけることができています。
佐藤 : 卒業後は岐阜県の委託給食の会社に勤めるんでしょう?環境が大きく変わるのは大変だよ。特に食文化は地域性があるから、頑張って。
宮本 : ありがとうございますっ!