坂本 優惟(2016年3月卒業)
造形はどんな園に就職しても必要なものだからと伊東ゼミに入った坂本さん。春からは幼稚園教諭として働く。
伊東 知之 教授
鋳込みによる金属の独特な材質感に魅力を感じ、常に人の「生」を根底に意識しながら、主に金属を用いた彫刻作品の制作研究を行っている。
| 坂本 : | 先生、このゆるキャラを友だちに見せたら、ほしいって言ってくれたんですよ。 |
|---|---|
| 伊東 : | 一生懸命つくった甲斐があるね。本当は着ぐるみをつくってほしかったけどなあ。 |
| 坂本 : | ゆるキャラの定義に「原則として着ぐるみ化されていること」という一文を見つけたときには悩んだけれど、私の技術では難しくて。 |
| 伊東 : | ぬいぐるみにするなら3体はつくってと、ハードルを上げさせてもらったね。 |
| 坂本 : | ぬいぐるみだって初めてつくるので、いろいろ調べて試行錯誤が必要でした。 |
| 伊東 : | ゆるキャラづくりというのは坂本さんらしいけれど、そもそものきっかけは? |
| 坂本 : | 子どもたちにすごく人気があって、何でなんだろうと不思議に思ったんです。 |
| 伊東 : | それで静岡県浜松市まで「ゆるキャラグランプリ」を見に行ったんだね。どうだった? |
| 坂本 : | 子どもたちは有名無名関係なく、一心に着ぐるみを追いかけていて、その純粋さにあらためて驚かされました。あと、しっぽや手など、子どもが触れられる部分が大事だなって。 |
| 伊東 : | そうやって気づいた点をキャラクターに反映させていったんだね。 |
| 坂本 : | ええ。越前打刃物、越前和紙、ボルガライスをモチーフにして3体つくりました。 |
| 伊東 : | これも、欲を言えば1つのゆるキャラにいろんな特産品を盛り込んでほしかったな。 |
| 坂本 : | 先生、厳しい......。でも、こうして実際に制作したことで、ずっと子どもと同じ目線に立っていたいと思うようになりました。 |
| 伊東 : | そういった卒業制作を通じて感じたことは、研究報告書にまとめたね。これで無事に卒業が決まって、春からは幼稚園の先生か。 |
| 坂本 : | はい。子どもたちのことを否定しない先生になりたいです。伊東先生みたいに。 |
| 伊東 : | ええ?どういうこと? |
| 坂本 : | 要求は多いし厳しいけど、否定はしないじゃないですか、先生。だからここまで頑張れたんだと思います。本当に感謝しているんですよ。 |
| 伊東 : | そんなことも感じとっていたんだね。保育士や幼稚園教諭は人間性が大事。坂本さんらしく、笑顔いっぱいで子どもたちに接してほしいと思っているよ。 |
| 坂本 : | ありがとうございます。 |


